新型コロナウイルスの影響下で全国の書店で現在売れている本が、フランスのノーベル文学賞作家、アルベール・カミュ(1913~1960年)が1947年に発表した『ペスト』。
この本について、最近、NHKの2つの番組でとりあげられ紹介された。いずれの番組も出演者の深い考察による作品の解釈や会話が知的好奇心をくすぐったので、Youtubeからダウンロードして、このホームページに記録しておく。
番組1⃣ ラジオ番組 高橋源一郎の飛ぶ教室 2020/3/20
番組の後半に漫画家のヤマザキマリさん(イタリア在住)がゲストで登場。この作品の描写が、感染者・死亡者が爆発的に拡大したイタリアの状況と酷似していること、また日本とヨーロッパ、とくにキリスト教文化との相違を強く意識せざるを得ない状況にあるという、現地で暮らしているが故の肌感覚の説明に考えさせられるものがあった。
番組2⃣ 「100分 de 名著」カミュ『ペスト』 2018年6月
読みたいとは思いながらも途中で挫折してしまう、古今東西の“名著”を25分×4回=100分で読み解く『100分de名著』
地中海に面した仏領アルジェリアの都市・オラン。おびただしい数の鼠の死骸が発見され、人々は熱病に冒され始める。ペストという「不条理な厄災」に見舞われた街で、人々はいかに生きてゆくのか──。ノーベル賞作家アルベール・カミュ(1913~60)の傑作小説『ペスト』を、現代的視点で読み解く。
第1回 不条理の哲学
第2回 神なき世界で生きる
第3回 それぞれの闘い
第4回 われ反抗す、ゆえにわれら在り
講師:学習院大学教授 中条省平
司会:伊集院光,島津有理子,
ちなみに島津アナウンサーは、2018年5月にこの番組で紹介した神谷美恵子の著書「生きがいについて」を読んでいるうちに、「自分の内面と向き合い、幼い頃からの思いを叶(かな)えるべきではないかと思うようになりました」と退局を決意し、「医師を目指して大学で勉強すること」に至った。名著はこれほどまでに人を感動させ、動かす。