新型コロナウィルスで顕在化する”お役所仕事”の後進性(5/7)

緊急事態宣言以降、感染者数の増加は抑えられ鈍化傾向にあるが、まだ3月の連休前のレベルまで下がっておらず、安倍首相は5月4日、「緊急事態宣言を5月31日まで延長する」と表明した。2月末からの学校の一斉休校宣言以来、行動規制はすでに3か月続いており、経済活動、特にサービス業への打撃は計り知れない。

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こうした危機的な状況にありながら、お役所は旧態以前のやり方を馬鹿正直に続け、改善の歩みは遅々として進まない。PCR検査にしても、できない理由ばかり挙げてその課題を解決しようとしない。検査数を増やせば感染者の数が桁違いに跳ね上がることを恐れ、言い訳ばかりして、あえて増やそうとしていないのではないか?

主要メディアも、毎日の感染者数の増減ばかりを報道するだけで、検査の母数については全く報道しない。政府から報道管制が敷かれているのか、上層部が忖度しているのかしらないが、大東亜戦争の反省を踏まえれば、報道こそが権力の盾にならなければならないのに、その役割を放棄しているとしか思えない。

こうした日本の状況は、感染の実態を示す事実データ・数値に基づいてどのように出口戦略を練るべきか検討している世界とは大違いだ。ここにも役所の論理性の欠如と課題解決のアプローチに対する後進性がうかがえる。

ニューヨークタイムズは、こうした日本の後進性を示す例として以下の記事を掲げた。(共同通信)https://www.nytimes.com/2020/05/05/world/coronavirus-world-coverage.html

「新型コロナウイルスのデータをファクスで集めていた日本が、ついにデジタルへ」―。

米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は6日までに、日本政府が医療機関に新型コロナ発生届を手書きしてファクスするよう求めていた仕組みから脱却し、今月中旬からオンラインで行われるようになると伝えた。 同紙は、先進技術が使われる日本では「広範な役所仕事で古い技術を強要する政府」に多くの人が不満を抱き、代表例が「はんこの使用」と紹介。「医師が前時代的と不満を抱いたプロセスを合理化」する動きと指摘した。

呼吸器内科医が「手書きの発生届」への不満をツイートし、これが河野太郎防衛大臣の目にとまり、今回のデジタル化につながったとか・・・。https://twitter.com/cutetanaka/status/1253084766041038848

お隣の韓国のPCR検査体制は、日本と異なり民間検査機関を活用している。検査はかなり自動化されており、1日1万件の検査が可能な検査機関が全国に100か所あるという。
韓国のやり方を素直に学び真似すればよいのだが、アホの自民党政権はメンツやイデオロギーにこだわり学ぼうとしない。韓国のシステムを理解し予算をつければ、日本の中堅製造業クラスの自動化技術をもってすれば、この程度の検査体制は簡単に構築できるはずだし、日本の企業の力が活用されれば、補正予算も日本の発展に役立つというものだ。

さて民間企業や教育現場の対応はどうだろうか?
これまで、テレワークやオンライン学習ができる環境は一応整備したものの活用の機会はさほどないと思い込んでいた(あるいは活用しようとしていなかった)企業や学校も、今回の問題で必要に迫られ使わざるを得なくなった。その結果、多くのユーザーが現場レベルで、現在の仕組みのメリットやデメリットを実感できているのではないだろうか?

これをきっかけに、非効率なやり方がどんどん改善されるとともに、広く世界を見まわし良いものは学び、すぐにとりいれてみるという、日本人お得意の「KAIZEN」の機運が高まっていくことを期待したい。同時にユーザー視点で、国民が政府、役所の非効率性について、どんどん指摘するトレンドを絶やさないようにしたいものである。

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